医療従事者向け

適正使用情報

禁忌又は注意を要する患者

投与が禁忌である患者

1
過敏症の既往歴のある患者
2.
禁忌(次の患者には投与しないこと)本剤の成分並びに他のアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の重大な副作用として、ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあります。本剤の成分並びに他のアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対する過敏症の既往歴のある患者には、本剤を投与しないでください。

投与に注意を要する患者

2
第8脳神経障害のある患者
9.1
合併症・既往歴のある患者
9.1.1
第8脳神経障害又はその疑いのある患者第8脳神経障害が発現又は増悪するおそれがある。
アミノグリコシド系抗生物質の一般的な副作用として、めまい、耳鳴、難聴等があらわれる場合があることが知られています。アミノグリコシド系抗菌薬による聴器毒性は不可逆的である場合があり、注意を要します。本剤の国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)では、聴器毒性が対照群に比べ本剤投与群で高頻度で報告されました(18.4% vs. 10.7%)。また、本試験では重症の聴覚障害、前庭機能不全を有する患者は除外されました。
国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)におけるベースライン時の耳および迷路障害の病歴
国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)におけるベースライン時の耳および迷路障害の病歴
※いずれかの群で2例以上が有していた病歴
n(%)
MedDRA Ver. 22.0
3
神経筋障害のある患者
9.1
合併症・既往歴のある患者
9.1.2
重症筋無力症等の神経筋障害又はその疑いのある患者本剤は神経筋遮断作用を有するため、呼吸抑制があらわれることがある。
アミノグリコシド系薬剤は、神経筋接合部でのアセチルコリンの遊離を遮断し、重症筋無力症患者において筋力低下を悪化させるおそれがあることが知られています。本剤の国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)では、神経筋障害、重症筋無力症を有する患者は除外されました。
4
腎機能障害のある患者
9.2
腎機能障害患者腎機能障害患者では高い血中濃度が持続し、腎障害の悪化及び第8脳神経障害の副作用が強くあらわれるおそれがある。腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
アミノグリコシド系薬剤は、不可逆的な腎毒性を引き起こす可能性があります。本剤投与中は定期的に腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察してください。
国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)におけるベースライン時の腎および尿路障害の病歴
国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)におけるベースライン時の腎および尿路障害の病歴
※いずれかの群で2例以上が有していた病歴
n(%)
MedDRA Ver. 22.0
5
高齢者
9.8
高齢者一般に生理機能が低下しているため、高い血中濃度が持続し、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。
本剤の国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)では、本剤投与群の53.1%(224例中119例)〔日本人集団では52.9%(34例中18例)〕が65歳以上でした。
6
妊婦又は妊娠している可能性のある女性
9.5
妊婦妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。
アミノグリコシド系薬剤は、妊婦に投与すると胎児に有害な影響をおよぼし、不可逆的な両側性先天性難聴を引き起こす可能性があります。また、本剤のヒト母乳中への移行や、母乳栄養児への影響、吸入による投与後の母乳産生への影響に関する情報は得られていませんが、アミカシンは乳児に影響をおよぼすことが知られています。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、本剤による治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与してください。
7
授乳婦
9.6
授乳婦治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤吸入投与によるヒト母乳中への移行は不明であるが、アミカシンを筋肉内投与した場合、ヒト母乳中に移行することが報告されている。
本剤のヒト母乳中への移行や、母乳栄養児への影響、吸入による投与後の母乳産生への影響に関する情報は得られていません。アミカシンの他の投与経路に関する公表データからは、アミカシンがヒト母乳中に存在することを示していますが、吸入剤である本剤ではその濃度は低いと予想されます。
授乳婦に対しては、本剤による治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。
8
小児等
9.7
小児等小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
ntmnavi