医療従事者向け

アリケイス®とは

適応と作用機序

在宅吸入療法を可能にしたアリケイス®とラミラ®ネブライザシステム

アリケイス®は、アミカシンをリポソーム粒子に封入した吸入用懸濁液剤です。
適応症は、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性抗酸菌症で、通常、成人にはアミカシンとして590mgを1日1回、専用のラミラ®ネブライザシステムを用いて吸入投与します。
在宅吸入療法を可能にしたアリケイス®とラミラ®ネブライザシステム

効能又は効果

適応菌種:
アミカシンに感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)
適応症:
マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性抗酸菌症

効能又は効果に関連する注意

本剤の適用は、肺MAC症に対する多剤併用療法による前治療において効果不十分な患者に限定すること。

用法及び用量

通常、成人にはアミカシンとして590mg(力価)を1日1回ネブライザを用いて吸入投与する。

用法及び用量に関連する注意

  1. 本剤を吸入する際には、専用のネブライザであるラミラネブライザシステムを使用すること。
  2. 使用にあたっては、ガイドライン等を参照し、多剤併用療法と併用すること。
  3. 喀痰培養陰性化が認められた以降も、一定期間は本剤の投与を継続すること。臨床試験においては、喀痰培養陰性化が認められた以降に最大12ヵ月間、本剤の投与を継続した。
  4. 投与開始後12ヵ月以内に喀痰培養陰性化が得られない場合は、本剤の継続投与の必要性を慎重に再考すること。

ラミラ®ネブライザシステムと独自のリポソーム技術

アリケイス®は、専用のラミラ®ネブライザシステムを用いて吸入することにより、肺末梢の肺胞まで効率的に分布し、独自のリポソーム技術により、主要な感染細胞であるマクロファージへの取り込みを促進します。
ラミラ®ネブライザシステムと独自のリポソーム技術
M. avium は肺組織内でマクロファージへの感染頻度が最も高かったことが報告されています(Park HY, et al. Chest. 2016;150(6): 1222-1232.)

ラミラ®ネブライザシステムがもたらす特徴

ラットを用いて各種投与法によるアミカシンの肺と血漿の AUC を比較したところ、リポソーム吸入の方が、血漿よりも肺での AUC が 1,800 倍以上大きく、静脈内投与やアミカシンの吸入と比べて肺と血漿の差が大きいことが示されました1)
イメージ図 肺組織中に高濃度に移行
アミカシンの各種投与法による肺と血漿AUCの比較(ラット)
組織 静脈内投与
100mg/kg
(n=10)
吸入
96mg/kg
(n=10)
リポソーム吸入
96mg/kg
(n=10)

(AUC0-24)
162.1 2,771.0 6,917.0
血漿
(AUC2-24)
22.6 3.1 3.8
注:データは平均値(単位は論文に記載なし)として示した
Zhang J, et al. Front Microbiol. 2018; 9: 915.
肺MACの感染部位である肺末梢の肺胞まで吸入薬が送達されるためには、吸入薬のエアロゾル粒子のサイズが重要です。粒子サイズが大きすぎるとネブライザ内や中咽頭でひっかかり、肺胞まで届きません。一方、粒子が小さすぎると蒸発してしまいます2)
一般的に肺の末梢まで薬剤が届くためには、エアロゾルのサイズ(MMAD:mean mass aerodynamic diameter)が1~5μmの間でなければならないとされています2)
MMADは、吸入薬とネブライザの組み合わせによって変わります。アリケイス®は、in vitro試験において、ラミラ®により生成されたエアロゾルのMMADが平均3.60μmであり、エアロゾルの73.9%が5μm未満であったことが報告されています3)
エアロゾル粒子の大きさと肺への送達
エアロゾル粒子の大きさと肺への送達
Wenzler E, et al. Clin Microbiol Rev. 2016; 29: 581-632.より作成
ラミラ®(PARI eFlow)により生成されたアリケイス®のエアロゾル粒子のサイズ(in vitro
MMAD
(μm)
RF(respirable fraction)
(<5.0μm)
(%)
平均値
(SD)
3.60(0.19) 73.9(3.9)
n=3
Li Z, et al. J Aerosol Med Pulm Drug Deliv. 2008; 21(3): 245-254.より作成

独自のリポソーム技術がもたらす特徴

肺末梢の肺胞まで届いたアリケイス®が的確に MAC を攻撃するためには、MAC の主要な感染細胞であるマクロファージへの取り込みが課題となります。アリケイス®のリポソーム脂質は非極性であり、マイナスに荷電している細胞膜を通過しやすいため、極性を有する遊離型アミカシンに比べ、マクロファージ内に取り込まれやすいと考えられます。
イメージ図 細胞膜を透過
アミカシンの最終濃度が128μg/mLになるようアリケイス®を添加した培地でマクロファージを24時間培養した結果、マクロファージへのアミカシン取り込みは、同濃度の遊離型アミカシンを含む培地と比較して約4倍多いことが示されました。
マクロファージのアミカシン取り込み(in vitro
イメージ図 マクロファージへの取り込み
Zhang J, et al. Front Microbiol. 2018; 9: 915.より改変
【利益相反】本試験はインスメッドからの資金提供等による支援を受けた。
REFERENCES
  1. Zhang J, et al. Front Microbiol. 2018; 9: 915.
  2. Wenzler E, et al. Clin Microbiol Rev. 2016; 29: 581-632.
  3. Li Z, et al. J Aerosol Med Pulm Drug Deliv. 2008; 21(3): 245-254.
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